「いくつもの週末」江國香織 より

「私はときどき、男と女の狡さのちがいについて考える。

女の狡さは積極的でつめたい(あるいはあつい)けれど、

男の狡さは消極的でぬるい(あるいはあたたかい)というのが、その考察結果で、

もしもそうだとするならば、消極的でぬるい(あるいはあたたかい)狡さの方が絶対により狡い・・・・と思う。

考えれば考えるほどより狡い・・・・

それはたとえば、何かを主張するのに結果がどうなろうと知ったことじゃない、とういのが女の身勝手さであるのに対し、

結果だけは正確に見据えて、あとはまあ知ったことじゃないと考えるのが男の身勝手さであるのと似ている。」

「結局結婚というのは、それでもひとりを選ばないということなのだろうなと思う。

一緒にいない方がやすらかだ、といくらわかっていても一緒にいてしまう。」

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