「はつ恋」ツルゲーネフより 鮮やかな小説でした

「取れるだけ自分の手でつかめ。

人の手にあやつられるな。

自分が自分みずからのものであること――人生の妙趣は

つまりそこだよ」

「人間に自由を与えてくれるものはなにか

(中略)

意志だよ、自分自身の意志だよ

これは権力までも与えてくれる

自由よりももっと貴い

権力をね 欲する――ということができたら

自由にもなれるし 上に立つこともできるのだ」

「あなたはこんな人生が

束の間の満足のために危険を冒してはならないほど大事なものだと

真顔で私に説教なさるおつもりね」

「自分を犠牲にすることを

快く感じる人もあるものだ」

「これが恋なのだ

(中略)

これが情熱というものなのだ!

・・・ちょっと考えると、例え誰の手であろうと

・・・よしんば どんな可愛らしい手であろうと

それでぴしゃりとやられたら、とても我慢はなるまい

憤慨せずにはいられまい!

ところが一旦恋をする身になると、どうやら平気でいられるものらしい」

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