「女のことわざ辞典」林真理子より

つい最近であるが、私はこういう連続してついていない事態というのは、

自分の気力の問題ではないかと思うようになってきた。

「弱りめにたたりめ」という言葉もある。

つまり弱ったところに”たたりめ”という各種のばい菌はついてくるのだ。

ここは明るく、各種のばい菌をはねかえす力を持たなくてはならない。

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なぜならこの5、6年、私の人生は信じられないほどのツキに恵まれていた。

このバランスとて、もう一方で少しは悪いことが起こらないと嘘じゃないかと私は考えるわけだ。

もちろん”強力たたりめ菌”は、まだ来てほしくない。

しかし日常生活にいっぱい漂っている無数の”たたりめ菌”クンたちとは、ちょっと仲良くつきあっていきたいという気持ちもある。

自分の失敗に苦笑したり舌打ちしたりしている間に、だんだん抵抗力もついてくる。

対処する方法もわかってくる。

そしていつか来る強力なやつに立ち向かうため、健康な心をつくっておくのだ。

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けれども、今の生活の愚痴を言う女より、過去の美しい思い出話を語る女の方が私は好き。

だってそれは酔いが醒めれば終わるもの。

そしてみんな今日と明日のことを考えて、やがて席を立っていく。

こんな時、本当は誰もそう後悔していないんじゃないかと、私は密かにまた核心を持つのだ。

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